希少ガン。

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平滑筋肉腫(へいかつきんにくしゅ)

なかなか診断がつかなかった腫瘍。

箇所も形も特殊で
どの先生もかなり困っていた。

1つずつ可能性を潰していくと
悪性ということが分かった。

結果説明で『肉腫』と言われても
ピンとこなかったが

ガンの分類で癌腫肉腫があり、
一般的に言われる
肺がんや乳がんや大腸がん等は
癌腫で上皮細胞
(消化管や気道などの内側や体の表面、臓器などを覆う細胞)
肉腫が非上皮細胞
(骨や筋肉などを作る細胞)
白血病や骨髄腫は血液のがんということだった。

『ガン?自分が?』と信じられないまま
聞き流してしまっていたら
あまりにも冷静に見えたのか
大丈夫ですか?と先生と看護師さんが驚かれた。

腫瘍が見つかるまで

1年程前から数ヶ月に1度
左下腹部痛微熱の症状があった。

病院に行くと
『胃腸炎かな?』と言われていた。

最初の頃は軽かったが
段々と痛みが強く長引くようになっていった。

何度目かの時に
病院で処方してもらった薬を飲んでも
全く効かず熱が上がり出した。

コロナの影響で
熱が上がると病院で診てもらえなかった為
ファストドクター(緊急往診医療サービス)を依頼して
診てもらうと胃腸炎の音はしておらず
原因は分からないが
左下腹部の為、薬を飲んでも改善しなければ
一度婦人会で診てもらうように言われた。

考えられる薬を多めに出してくれ
どれかが効いたんだろう
数日すると改善した。

だがまた数ヶ月後に症状が出だした。

腹痛の薬を飲んでごまかしていたが
改善せず日に日に痛みが強くなった。

仕事中に我慢ができなくなり
早退をして
近くの病院を探して
婦人科ではないが入ってみた。

そこで診てもらうと
『胃腸炎でも婦人科でもない!』と
痛み止めの点滴と血液検査をしてもらった。

血液検査の結果を見ると
CRP (炎症の数値)が正常の20倍になっていた。

なんでここまで我慢したんや!と怒られた、、

憩室炎の可能性が高いということだったが

数日間点滴をしてもらい
痛みがマシになったところで

もう一度場所を確認しておこうかと
触診すると痛みがある箇所を押さえて
『ここ?何かあるぞ?』と
別の病院ですぐにCTを撮ってくるようにと言われた。

痛みは治まってきているのに
まさかの展開だったが
CTを撮ってもらい戻ると
『何かが確かに写っている』と。

ただなにかが分からない
こんなところに何が写っているんや
憩室炎じゃないのか?!と
先生は頭を抱えいていた。

60歳以上であればガンを疑うが
年齢的に分からない
あとガンであれば形がギザギザしているが
ツルッとしたソーセージのようだと。

画像診断の先生にも診てもらい判断することになり

数日後に結果を聞きに行くと
後腹膜腫瘍またはGISTの疑いがあり
要精密検査ということだった。

大きな病院で検査をしてもらいなさいと
紹介状を書いてもらった。

今まで同じ症状でいくつか
病院に行っても原因が分からなかったが
初めて腫瘍があることが分かった。

会社の近くでたまたま入った病院だったが
この先生に診てもらえて良かった。

触診で見つかったというと
みんなが驚いていた。

診断がつくまで

新しい病院の消化器内科を受診して
造影CTを撮ると
『バッチリ写っているねー』と。

形的には良性の可能性が高いが
そのままにしておくより
手術で取ってしまい良かったねと
安心する方が良いのではないかということになった。

ただ切るとなると傷が残る為、
腰からや目立たない方法でできるように
後日泌尿器科を受診する事になった。

数日後、泌尿器科を受診すると

別の科にも色々と確認していただいていて
考えられるものが数種類あり
その1つが切ると足の神経に影響が出る可能性があって
安易に切れなくなった。

そこから検査で1つ1つ可能性を
潰していくことになった。

  • 血液検査
  • MRI検査
  • ホルモン検査
  • シンチグラフィー

その結果、
褐色細胞腫(手術中にホルモンが溢れ出すと危険)
神経鞘腫(足の神経に影響がある場合がある)の
可能性が低くなった為、
生検手術をする事になった。

生検の結果、
平滑筋肉腫または脂肪肉腫という
悪性腫瘍ということが分かった。

検査が始まって1ヶ月の間に
また痛みが再発していて、
判明次第すぐ手術ということになっていたので
次の週に手術が決まった。

手術後〜

手術で摘出した腫瘍の
病理検査
(診断や原因の究明を目的として採取した細胞を顕微鏡などを用いて詳しい診断行う)
で転移していないかや今後の方針を決める。

腫瘍の周りの組織と別に2箇所を採取して
検査した結果
転移は確認されなかった為、
取り切れているということになった。

数週間後にした
PETCTでも転移は確認されなかった。


ただ細胞レベルでの転移は分からない為、
転移と再発のフォローは
今後もずっと続けていく事になった。


この平滑筋肉腫という腫瘍が
子宮にできることも多いということで
婦人科とも連携しながら定期的に
検査をするそうだ。

また遺伝性の場合は放射線を浴びることで
発がん性がある為、遺伝性かどうかを
調べて今後の検査の方法を決めていく。

診断までに時間がかかり
腹痛と関係しているのかも最初は不明だったが
術後に腹痛は起こっていない。

原因不明の腹痛と微熱が
まさかガンだとは思わなかった。

早期発見で
本当に見つけてくれた先生に感謝だ。

稀な腫瘍だが
もし同じ症状の方が居たら
早く見つけて欲しいと思います。

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