初体験。

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人生で初めての手術。

なかなか診断がつかなかった腫瘍。

平滑筋肉腫という悪性腫瘍の切除をする為、
腹腔鏡下手術を受けた。

美容面・回復が早いということ等から
開腹手術ではなく腹腔鏡術で進めて
状況を見て切り替える可能性もあるということだった。

手術前日

前日の朝に入院し、血液検査や準備。
初めての残渣食と流動食。

残渣食は意外とがっつりで美味しくて驚いた。
流動食は分かっていたが本当に汁のみで
明日手術するんだなと実感した。

22時の消灯時間を過ぎてもなかなか眠れなかった。

手術当日

当日は絶飲で病室で点滴をして9時に手術室へ

1週間前にも生検手術をしていたので
そんなに緊張はしなかったが、
手術室に入り質問をされている時に
付き添ってくれていた担当の看護師さんに
『顔がどんどん強ばってきた、大丈夫』
と腕をさすられて泣きそうになった。

涙腺が崩壊しそうになりながら
看護師さんとお別れして
手術台に寝転ぶと色んな機材が付けられていく。
数分後には麻酔科の先生が
『起きたらもう終わってますからねー』と
麻酔が入り腕がしびれてすぐ意識が無くなった。

意識が戻り看護師さんが
『今16時だよー』と言っていたので
約7時間経っていた。

手術室で起こされた時の記憶は曖昧で
人工呼吸の管を抜かれた事も分からないぐらい。

気が付くとベッドで移動していて
身体が固まって動かせずガタガタ震えていた。

HCU(高度治療室)に入って
看護師さんが
『もう大丈夫!手術終わってるから力抜いてー
私、年近いからなんでも言ってー』と
声をかけてくれながらテキパキと準備をしてくれていたが

なかなか力が抜けず、震えが止まらないのを見て
『全身麻酔で長時間眠っていた影響だから心配しなくてもいい
痛みが強い時には点滴に繋いだ携帯式のポンプを押すと
痛み止めが追加されるからね』と教えてくれた。

すぐにポンプを押してもらうと
『今は傷口じゃなくて管が痛いんだと思うよー』と
お腹からドレーンが出ている事を教えてくれた。
確かにその辺りの痛みと
尿道カテーテルがなんとも言えない違和感と痛み。

ドレーンやカテーテルだけでなく
口には酸素マスク
左手は血圧計
右手は点滴
足は血栓予防のフットポンプ
全身何か繋がれている状態。

しばらくすると震えは止まったが
吐き気が止まらなくなり
痛み止めのポンプを押した後になっているんじゃないかという事で
追加するのはやめた。

別の痛み止めの点滴に変えてもらうと吐き気は治まった。

痛みはマシになっているのかもしれないが
治まることはなく
いつになったら落ち着くんだろう?と
感じたことの無い感覚がずっと続いた。

主治医が説明に来てくれ
腫瘍は腹腔鏡下手術で取れたが尿管に影響がある可能性があり
ステントが入っているという事だった。

どうなるんだろう
とりあえず今痛い辛いと思いながら
あまり話せなかった。

消灯時間になっても眠れず
寝れたと思っても時計を見たら
まだ全然経ってないやっの繰り返し。

数時間おきに看護師さんが
ドレーンの排液等を回収してくれたり
『大丈夫ですか』と声をかけにきてくれた。

別の患者さんと看護師さんの
会話を聞きながら
こんなに時間が経つのを長く感じたのは
初めてだった。

手術翌日

やっと起床時間が来た。
朝が来てくれたって初めての感覚。

看護師さんが来て
酸素マスクは数値が落ち着いているから
もう大丈夫だねと外してくれた。

歯磨きを手伝ってくれたり
身体を拭いて洗浄もしてくれた。
血圧計と足のポンプを外してもらった時の開放感は凄かった。

大人になってこんな身の回りのことを全部してもらうなんて初めて。

『今日から痛くても動いてもらうからねー』
と元の部屋に移動する事が決まったが

手術前に主治医からも言われていたが
こんな状態でどうやって動くんだろうと思った。

ベッドの上で動かされるままにレントゲンを撮り
車椅子に乗って元の部屋に移動した。
支えてもらいながら思っていたよりは身体を動かせた。

移動後は結局動くことなく
ベッドの上で1日
携帯で講義の音声を聞いて過ごしていた。

午後に執刀医と主治医が様子を見に来てくれ
『足は痺れていないですね』と
1番心配していた足の神経には影響がなかった。

ドレーンよりも痛かったカテーテルを
早く抜いてほしいとお願いしてみたが、
『尿管が細くなっている可能性があるので抜けない
まだ翌日なので慎重にいきましょうね』と
あと腸のところまで切っているので
食欲が出ないかも知れないという事だった。

お腹が動いていたので
水分を取れるようになり夕食で3分粥が出たが
本当に全く食欲がなかった。
いつもは食べるのが楽しみで食べる時に幸せを感じていたのに
また初めての感覚で驚いた。

ファスティングも何度かしたことがあるが
また全然違う感じ。少し食べてもう要らないとなった。

この日の夜も
カテーテルの痛みで寝れず、手がずっと痺れていた。

夜中に痛み止めの点滴を追加してもらったが治まらず
座ってみたり横になったりを繰り返していた

看護師さんに溜まってる痛みじゃなくて?と
言われたのが気になって
管は入っているがそのままトイレに行ってみると
かなり楽になった!

出きらず溜まって痛みや違和感が増していたんだ。
開放されて良かった、、、

夜中に何度もナースコールを押したり
ソロリソロリしか歩けないわたしにゆっくりと付き添ってくれた看護師さん達
みなさん優しくて感動・感謝><

楽になると少し眠れた。

術後2日目

日課になった主治医の朝の訪問

午後から尿管の検査を
前倒しでしてくれる事になった。

細くなっていればもう一度外には出ないステントを入れて
問題がなければ完全に抜いてもらえるという事だった。

この日は担当の看護師さんで
身の回りを動きやすく、
必要な物はすぐ取れる場所に移動したり
普段通りに生活しやすいようにと動いてくれて
洗浄や洗髪もしてもらいスッキリ。

そうこうしている内に外来に呼ばれ
車椅子で処置室へ

早く抜いてほしいのとまた入れないと
いけなかったらどうしようという恐怖があった。

尿道カテーテルとステントを抜いて
造影剤を入れて検査をした。

抜くのも痛いのかなと思っていたが
痛みはなく造影剤を入れる時も違和感が
あるかもしれないと言われたが何か入ったかなーぐらいだった。

ドキドキしていると

『大丈夫大丈夫、問題ないね!』と
ステントも入れずに抜いて生活できることになった。

みなさん良かったねーと
迎えに来てくれた担当の看護師さんも
一緒に喜んでくれた^^

点滴も抗生剤が終わり次第針抜くことになり
『これでやっと夜寝れるようになるよ!!早く元通りになろう』
と言ってくれた。

この看護師さんが居てくれたから
乗り切れたなと本当に思う。

感謝してもしきれない素敵な人だった。

管と点滴が取れてからは
1人でトイレに行って良い事になり
ゆっくりだが少しずつ歩けるようになって
テレビを見た時に唐揚げが写って
『食べたい!』と忘れていた食欲が復活!!

しんどくても動かないといけない
逆に動いた方が良いという意味がやっと分かった
寝てたら治るとかじゃないんだ

逆に動かないと体力が落ちて
元気になるもんもならないらしい。

動くようになると食欲が出て
食べるとまた元気になっていくのを実感して
身体って凄いなぁと思った。

身軽になって消灯時間後すぐに
寝るき満々だったが何故か寝れず
痛みと手の痺れがまた酷くなっていた。

痛みは夜が好きなのか?

寝付きが悪く数時間置きに目が覚めるのと
手の痺れはこの日以降もしばらく続いた。

手術前は寝付きが良くて
何時間でも寝れるタイプだったのが真逆になった
徐々に戻っていくんだろうが
スっと早起きできるのは嬉しい!

今の自分の身体の声を聞きながら
楽しんで生活していこうと決めた夜だった。

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